12時の鐘が鳴る頃に…

「この写真の赤いドレスの方は雪絵さん、ですよね?!」


例えるなら鼻息荒く。ひなさんは言った。

私に見せるのは手に持っていた小さな紙。

それは、写真で。赤いドレスを着た私と、白いタキシードを身に付けた彼が写っている。

な、なんでこんな写真が…!


「ひ、ひなさん!?ど、どうしたんですか!この写真…!」


思わず、ひなさんと口をついていた。だけど、そんなこと気にしてる暇はない。

彼女の持っている写真の方が一大事!

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