12時の鐘が鳴る頃に…

別に顔を晒したからと、何かあるわけではない。

ただ、私が地味子に慣れてしまっただけで。

学校で素顔を晒すのは凄く久々のことで恥ずかしさが私の中を駆け巡る。


「雅貴さん?」


ひなさんが呟く。そう言えば、私の後ろに原口くんが居るんだよね。

恐る恐る、振り向く。すると、そこには。

カツラをかぶっていない、レストランに来るときと同じ姿をした彼。

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