12時の鐘が鳴る頃に…

「雪絵ちゃん、よろしく!」

「はいっ!」


あっつあつのビーフシチューと仄かに甘い香りが漂うパンを持って、あの青年の元へ行く。

私の足音に気付いたのか彼は顔を上げた。必然と目が合う。

私はにこりと笑い「お待たせしました」とビーフシチューとパンを机の上に並べた。


「ごゆっくりどうぞ」

「ありがとう」

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