12時の鐘が鳴る頃に…
【Ⅷ】
ガチャと週間と化したレッスン室の扉を開ける。
すると、そこにはいつもとは違う光景が広がっていた。
いつもだったらそこに居るはずのない人物。そう、原口くんがそこに居た。
まさか、居るとは思っていなかったから心臓が跳ねてしまった。ドキドキと鳴る心臓。
だって、授業が終わると直ぐに教室を出て行った彼がここに居るなんてさ。
てっきり、帰ったのだとばかり思っていたし。
「な、なんで…」
漸く出た言葉がそれだった。