12時の鐘が鳴る頃に…
「聖鈴ですか。親戚は居なかったと思います」
「そうですか…」
「他人の空似でしょう」
うーん…本当にそうなのかな…
使っている言葉が丁寧すぎるからか。少し、胡散臭く感じてしまう。
って!注文、伝えに行ってない!
これじゃ、いつまで経っても彼にビーフシチューを食べさせてあげられない。
「話、聞いてくださりありがとうございました。料理が来るまで、もう暫くお待ちください」
「あ、はい。こちらこそ…」
彼の言葉を最後まで聞くことなく、頭を下げその場を離れた。