エイエン
5月
初夏…というには少し早いのか…
「今朝のニュースです。昨日、最新型のロボットが完成しました。しかし、研究所からロボットが姿を消したとのことで…………………」
ロボットね…
よく飽きもせずに造ってられるな。
「いってきます。」
桜はとうに散り、緑の葉がおいしげってる。
入学してから1ヶ月。
早いもんだ。
「よ、晴(ハル)!」
「よー佑樹。今日も朝から元気だな。」
「お前が暗いんだよ!」
佐山 佑樹。
幼稚園の頃からの仲だ。
「朝のニュース見たかよ?」
「ロボットのやつか?」
「それそれ!」
「飽きもせずよく造るよなー。」
「おい、今回のロボットはバカにしたらいないぞ!」
「何が?」
「お前写真見てないのか?」
「朝のニュースは聞いてただけだからな。」
「スゴいんだよ!人間そっくりで、しかも可愛いんだ!」
ロボットが可愛い?
佑樹もついに頭がおかしくなったか。
「それよりもお前は月末のテストの心配したらどうだ?」
「そのこと言うなってー!」
そして俺たちは、まだ通り馴れてない校門を通る。