早急に恋に落ちて下さい!


っ──
そんな事考えている場合じない!


おばあちゃんは孫には甘いけれど、かなりしたたかな女性だ


このシチュエーションは、どう考えたって


あれなのだ。


脳裏にチラつく三文字の言葉………



「…」


正面に座る彼をもう一度じっくり観察した。


とてもスラリとしたイケメン。

内面の優しさがにじみ出ている。

凄くモテるだろうけれど、浮気なんて絶対しない誠実さがわかる。

いい男だ


おばあちゃんがわざわざ彼を私に会わせる為にこの場を用意したのなら


彼はかなりオススメの人なのだ。



と同時に
この場を濁したり、やんわりと断ったりする事ができないことは暗黙のルール。


そりゃあ確かに私だって一度は結婚しようと考えているし


いつか王子様が──
を夢見ている訳ですから
この年になっても理想を現実にするべく頑張っている…し───


結婚に対する私の理想はかなり高い。


容姿端麗
品行方正
に、高い年収。

そして私を唯一無二愛してくれて
私に甘々で──
でもきちんと私を導いてくれる人。

それが私の王子様。




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