早急に恋に落ちて下さい!
「ツグミさん?よかったら、そこの庭に出ませんか?」


突然何の脈絡もなくそう言われたけれど、
このままおばあちゃんの策にはまるのも嫌だ。


血族の中でも私は一番おばあちゃんに似ている。


人の思い通りに動かされるのが、嫌い──なところが…
でも仕事は仕事と割り切っているからなんとかやっていけているんだけど…


時々上司の無理難題に蹴りを入れたくなるぐらいカチンとくる事がある。


大人だから我慢するけど……。








「ツグミさん?」


「はい?」


気けば、目の前に彼の手のひらがあって
驚いたけれど、なぜか迷わず自分の手を差し出していた。





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