早急に恋に落ちて下さい!


彼の手は温かくて、大きくて…
私の手がすっぽり隠れてしまうぐらいで───


彼の職業からくるのか、人柄なのか
いつまでも繋いでいたくなる。


男性と手を繋いで、そんな風に思ったことなんて今までなかったから



おばあちゃんは凄い人を連れて来たものだと、繋いだ手を凝視していたら……





「…ツグミさん──ここだけの話し聞いていただけますか?」


それは、さっきまでとは打って変わった遠慮がちな声で─


「あ、はい…」


「多分驚かれると思うのですが、僕はもう44歳なんです」


「!?」


み、見えない。
どう見たって35─ううん、私と同い年と見るのが自然だ。


私なんて、人に年齢をどんぴしゃに当てられる人だからな…


羨ましい…



神様って意地悪だなぁ……なんて、彼の言った通りに
あからさまに驚いてしまった。





< 23 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop