早急に恋に落ちて下さい!
彼の手は温かくて、大きくて…
私の手がすっぽり隠れてしまうぐらいで───
彼の職業からくるのか、人柄なのか
いつまでも繋いでいたくなる。
男性と手を繋いで、そんな風に思ったことなんて今までなかったから
おばあちゃんは凄い人を連れて来たものだと、繋いだ手を凝視していたら……
「…ツグミさん──ここだけの話し聞いていただけますか?」
それは、さっきまでとは打って変わった遠慮がちな声で─
「あ、はい…」
「多分驚かれると思うのですが、僕はもう44歳なんです」
「!?」
み、見えない。
どう見たって35─ううん、私と同い年と見るのが自然だ。
私なんて、人に年齢をどんぴしゃに当てられる人だからな…
羨ましい…
神様って意地悪だなぁ……なんて、彼の言った通りに
あからさまに驚いてしまった。