早急に恋に落ちて下さい!
後ろから庭に敷き詰めたレンガを踏みしめる音がした。
だんだんと近づく足音──に、なぜか竹田さんの表情が変わった。
「…」
、
「ツグミさん…」
振り向こうとした私を引き止めるような竹田さんの声に、被るように呼ばれた───
「ツグミ」
それははじめて聞く声。
でも
私の名前を呼び慣れているように聞こえた。
恐る恐る振り返ると
絶句した。
おばあちゃん家の庭で、肩までの柔らかそうな金髪をなびかせたイケメンが、こっちを見て微笑んでいた。