早急に恋に落ちて下さい!
「はい。密貴様もお変わりなくて…相変わらずパフォーマーでいらっしゃいますね」
にこにこしながら、密貴に返事をする竹田さん。
「…で、何の用?また“毬”のお使い?」
「いいえ、今日は私用で参りました…が、毬様も密貴様に会いたがっていらっしゃいましたよ。密貴様が毬様を気にしていらっしゃいましたとお伝えすれば、さぞかしお喜びになられ─」
「うるさい要。黙れ」
「失礼致しました。私用でこの場にいる事をすっかり忘れておりました。お許し下さいませ」
「…」
深々と密貴に向かって頭を下げる竹田さん。
でも、なぜだろう─
一発触発的なピリピリした空気が漂っていて
こんなにも上下関係がはっきりした二人なのに
(敵同士みたい。)