早急に恋に落ちて下さい!
掘りごたつに足を入れて、三人でぬか漬けを囲みながら、お茶を飲む。
ああ、嫌だ。
空気が悪い。
お茶をすする音と、ぬか漬けを食べるポリポリという音が申し訳ないように聞こえる。
──帰りたい。
やっぱり、おばあちゃんに丁寧に断って、さっさと帰れば良かった。
渡すだけのつもりだったから、かずちやんへの心構えが出来てない。
ああ、どうしよう……絶対くる。
しばらく、かずちやんには会っていなかったから──このチャンスを逃すはずはないもの。
「ところで、ツグミ。いい話があるんだけどね」
きた!
体がビクリと震える。
「はい?──」
引きつり笑顔でかずちやんを見る。