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「あっ！あれは…！」



驚きのあまり､目を丸くして下を見る私…｡


その視線の先には…　



「真智ー！出てこーい！！」


「きっ､きぃ兄ちゃん！」



見覚えのあるオレンジ色に近い金髪の短い髪型､


どこにでもいそうなチンピラのような派手な格好､


そして後ろにある､これまた派手な装飾をつけた大型トラック…



間違いない…あれは私の兄､榎本喜一(ｴﾉﾓﾄ ｷｲﾁ)だ｡



「えっ！あれ真智の兄貴！？」


「うっ､うん…｡」



葵君は信じらんないと言わんばかりの顔で､きぃ兄ちゃんのことを見ている｡



きぃ兄ちゃん､相変わらず派手すぎるよ…｡



そんなことを思い､軽くため息を吐いていると､



「真智の隣にいる男ー！」


「なっ！何で最上階にいる俺が見えてんだよ！」



きぃ兄ちゃんが葵君の存在に気づき､凄い険相で葵君を指差した｡



「今からお前を血祭りにしてやる！首を洗って待っていやがれー！」


「えっ！ちょっときぃ兄ちゃん！」



きぃ兄ちゃんは最後にそう言うと､全力疾走でマンションの中へ入った｡



どっ､どうしよう！


きぃ兄ちゃん､本気で葵君を襲いに来るよー！