Sweet Heart
その後、葵君と私の間には会話はなく、気まずい空気を漂わせながら家へと着いた。
「ったく!お前らが早く帰って来ないから大変な目にあったぜ!」
「って、言われても…。」
私は怒るきぃ兄ちゃんの言葉に苦笑した。
なぜきぃ兄ちゃんが怒っているのかというと
昨日きぃ兄ちゃんがオートロックを壊したせいで、入ろうとした所を管理人さんに捕まったらしく、こっぴどく怒られたからだ…。
どう考えたってきぃ兄ちゃんの自業自得だよ…。
そして私と葵君が何度も頭を下げて謝り、管理人さんに解放してもらって今に至る…。
「まぁ、そんなことはどうでも良い!まず何で真智とこの男が許嫁になったのか説明してもらうぞ!」
気を取り直してきぃ兄ちゃんが早速本題に入ると、私と葵君を前に座らせた。
うわぁ…きぃ兄ちゃんってば、今にもキレそうな目をしてる。
「あのね!」
「俺が説明する。」
私が説明しようとした時、すかさず葵君が私の言葉を遮った。
きぃ兄ちゃんはそんな葵君の行動を見て眉間に皺を寄せる。
…葵君、大丈夫かな?