Sweet Heart
 


えっ…?


何で私の名前を知ってるの?


しかも"純子さん"ってお母さんの名前まで…。



「あれ?1度会ったこと、覚えてない?」



五十嵐さんは私の表情で思ったことを読み取ったのか、少し寂しそうに笑いながら言った。



何だか申し訳ない気持ちになって、「ごめんなさい」と言って謝る。



「真智ちゃんが謝ることじゃないよ!気にしないで!

それに会ったって言っても、真智ちゃんは5歳位だったから、覚えてなくても仕方ないよ!」



五十嵐さんの優しさに私は安心して微笑み返した。



「その頃は純子さんも元気で、真智ちゃんは僕の膝辺り位しかなかったんだよね~!

そんな真智ちゃんが今では純子さんの代わりとして立派に家事をしてるんだもんな~!

アオイの奴も驚くだろうなぁ!」


「…アオイ?」



今度は私の知らない人の名前が出てきたよ…。


"アオイ"さんって誰だろ…?



「そっか!僕のことも覚えてない位だからアオイのことも覚えてないよね!

アオイって言うのはねぇ~…「放せ!この野郎ー!」



五十嵐さんがアオイさんについて説明しようとした時、玄関先で大きな叫び声が聞こえた。





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