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武蔵の声色からして怒っているのがわかる
真剣な武蔵の姿に､普段は武蔵をからかっている子達も黙り込んでしまった
「俺も最初はあいつの態度の悪さが許せなかった｡だけどお前らが思ってる程､あいつは悪い奴じゃない」
私が言いたかった言葉を全部代弁するかのように話してくれた武蔵
武蔵も流唯と同じで葵君のことをよく見てくれてたんだね…
２人の優しさに何だか私まで嬉しくなった
葵君を悪く言っていたクラスの子達は武蔵に言われて反省したみたいで｢悪かった｣と謝った
今はわからなくても少しずつみんなにも葵君の良さがわかったら良いのにな…
「しかしだ！お前達も俺のダチだ！文化祭の準備をサボる葵を許せない気持ちも充分わかる！」
《えっ？》
「だから俺が今からあいつも準備に参加させるため連れて来る！」
しかし武蔵の怒りの矛先が今度は葵君に変わり､武蔵は言い終わると同時に猛ダッシュでクラスから飛び出した
「ははっ！武蔵らしい！」
「ったく！あいつは一体誰に対して怒ってんだよ！」
そんな武蔵の姿にこれまた唖然とするクラスの子達も､しばらくすると呆れながらも大笑いしていた
武蔵は葵君だけに味方したのではなく､クラスの子達の気持ちもちゃんと理解した上で両者に味方をしていた
全ての友達に平等に接して仲良くなるのが武蔵の良い所だったりするんだよね…
私はそう思いながら､嬉しくて笑ってしまう
「さすがに武蔵だけじゃ心配だから俺も行くね！」
「うん､葵君をよろしくね」
そして流唯も武蔵の後を追うように教室から出て行った
