Sweet Heart
正直に言うと、流唯の言うとおり…流唯や武蔵とも仲良くするつもりなんて全くなかった
俺の言葉を聞いて、武蔵は何も言えないみたいで黙り込む
「やっぱりね。ずっと不自然だって思ってたんだよ。俺や武蔵には普通に接するくせに他のクラスの人達には近づこうともしない。
俺達とクラスの人達に違いはないのに、俺達とは仲良くしてるのはおかしいなぁ…ってね」
「そっ、それは俺達が真智と仲が良いから俺達とも仲良くしてるんだろ!?」
流唯が俺にそう言うと、武蔵も黙ってばかりではいられず流唯の言葉を否定するように口を挟む
「そう…。俺達が真智と幼なじみで仲が良いからだよ。
葵は真智のために俺達と仲良くしてやってるんでしょ?」
流唯は自信満々に言い切って、またニッコリと微笑んだ
いつも第三者なポジションにいる流唯だけど、人の性質を1番わかっているのは流唯かもしれない…
俺は流唯には敵わないと思い、軽く息を吐いて流唯と武蔵を見た
「あぁ。俺は真智のためにお前らと仲良くなった」
「「………」」
はっきりと流唯の回答に肯定する俺
その瞬間、沈黙になって風の音だけが妙に耳に響いた