Sweet Heart
「別にそんなこだわることじゃ…」
「こだわる!」
葵君は面倒くさそうにため息を吐くが
私は葵君がどう言おうと許す気はなかった。
「真智って呼んで!」
「はぁ!?今?」
「今って言うかこれから!」
私は嫌がる葵君に、近づきながら言う。
そんな私に葵君は
「まっ…真智。」
渋々私の名前を呼んでくれた。
やっぱり婚約が消えるまでは一緒に住むんだから
仲良くしたいもん。
「うん!これからよろしくね!」
「あぁ。」
そして私と葵君は改めて握手を交わした。
きっと葵君となら大丈夫だよね!
それから、今後の家事担当を決めたり、他愛ない話(ほとんど私が喋ってた)をしていると
すっかり日付が変わっていた。
「よし。寝るか。」
「うん!おやすみ!」
葵君に挨拶して、同時に部屋に入ろうとした。
が、
「あっ、開かない!」
「はっ?」
何と私のドアは鍵が掛かったように、開かなくなってしまった。