Sweet Heart
おかしいな…。
葵君と部屋を決めた時には開いてたのに…。
何で開かないの!?
「ちょっと貸してみろ。」
「うん。」
突然開かなくなったドアを見て、葵君が私の代わりに開けようとした。
しかしいくらドアノブを回して、引いても全く開く気配なし。
どういうことかわからず、私と葵君は顔を見合わせる。
空いてる部屋は和室とリビング、そして葵君の部屋。
でも布団はちょうど2人分しかなくて、和室には寝れないし、リビングだと少し肌寒い…。
どうしよ~!
「こんなことするのはあいつしかいねぇ…。」
「へっ?まさか…。」
葵君は"あいつ"と呼ばれる人物に電話をした。
私も葵君の言葉にある人物の顔が頭をよぎった。
いや、まさか…
一度ならず二度までも子供みたいなことはしないでしょ!
「また、やりやがったな。クソ親父。」
『アハハ~!そうでもしないと盛り上がらないでしょ!なぁ、孝史?』
『そうだそうだ~!』
「って!お父さんまで何でいるの!?」
何と見事に葵君の予想は的中した。
どうやら犯人は、五十嵐さんとお父さんだったみたい…。