Sweet Heart
 


「何でって…俺も今日から真智と同じ学校に通うんだけど?」



…葵君が、私と同じ学校?




「えっ!嘘ー!?」 

「嘘じゃねぇよ。ほら、男子用の制服だろ?」



信じられず叫ぶ私に、葵君はわざわざ席から立って制服を披露する。



黒色のブレザーに、青色と紺色のチェック柄のズボンとネクタイ。


それにネクタイには校章が描かれたバッチがキラリと光っていた。



「本当だ!うちの制服!」


「気づくの遅ぇし。」



そう言って葵君は再び席に座る。



それにしても…



葵君、凄く制服似合ってる…。



綺麗な顔立ちだし、足も長いし…



制服を着た葵君も、やっぱり格好良いなぁ…。



「何ぼけっとしてんだよ。早く片付けねぇと遅刻すんぞ。」


「あっ!待って!」 


葵君の言葉に、ようやく見とれてしまったことに気づき、慌てて片付けを始めた。



どうやら、私が葵君に見とれていたことは気づいてないみたい…。


良かった…。



━ガチャッ!



「鍵OK!行こう!」


「あぁ。」




こうして葵君の転校初日が始まった。





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