Sweet Heart
他愛のない話をしながら学校に向かって歩く。
「葵君は部活しないの?」
「…別に興味ない。」
「じゃあ、家庭科部に入ってよ!私もいるし!」
「面倒くさいから嫌だ。」
簡単に勧誘をかわされちゃった…。
なんて思いながらも私はまた一方的に話し続けていた。
「お~い!真智~!」
「へっ?」
突然、背後から聞き覚えのある声が聞こえ振り返る。
「亜沙美~!それに、流唯も!おはよう!」
「おはよ~!」
「おはよ。」
私を呼ぶ声の主、大倉亜沙美と、亜沙美の彼氏、風間流唯が走り寄って来た。
亜沙美と流唯は私の幼なじみ!
相変わらずラブラブだな~!
「今日は遅刻しないで普通に登校してるじゃん!珍しい~!」
「雨が降るかもね。」
「もう!流唯までひどい~!」
意地悪気に笑みを浮かべる亜沙美と流唯に、私は頬を膨らまして怒る。
そんな私達のやりとりを見て、葵君はキョトンとしていた。
「んっ?あなた…」
「えっ?」
すると葵君の存在に気づいた亜沙美が、何か思い出したように葵君を指を差した。