Sweet Heart
葵君はいきなり亜沙美に指差しされたことに驚いた。
そして亜沙美が何かを言おうとした時…
「お前ら待てよー!」
「へっ?」
もう1人、私達に向かって走って来た。
その人物とは…
「武蔵!おはよ~!」
「真智!おはよう!」
地毛の赤茶色に上半分だけ後ろで結んだ髪型が印象的な幼なじみ、神宮寺武蔵。
「"待てよ"って、別にあんたと一緒に登校してないし。」
「はぁっ!?毎朝一緒に登校してるのに、今更そりゃねぇだろ!?」
「てか武蔵、朝からうるさいから嫌なんだよね。」
「流唯が低血圧すぎなんだよ!」
…いや、確かに流唯の言うとおり武蔵は騒がしいよ?
何て言えず、私は苦笑しながら、亜沙美と流唯、それに武蔵を見ていた。
「そんなことより、あなた…昨日、真智と一緒にいた人だよね?」
「何!?」
話は変わり、亜沙美が葵君に言おうとしたことを聞いた。
そしてなぜか武蔵は顔を歪ませて葵君を見る。
「…そうですけど。」
「やっぱり~!昨日街で見た人だよ!」
「本当だ。」
「なっ、何でここに…!」
えっ!?何でみんな葵君のこと知ってるの!