Sweet Heart
3人の会話に、いまいちついて行けない私と葵君。
そんな私と葵君に気がついたのか、流唯が優しい笑顔で説明してくれた。
「昨日、真智と彼が街中で一緒に歩いてるのを見たんだ。」
昨日って…買い物してた時か!
ようやく理解でき、葵君を見ると、葵君も流唯の言葉を理解した様子だった。
「それで…お前らどういう関係なんだよ?」
すると武蔵が私と葵君を交互に見ると、恐る恐る聞いてきた。
「私と葵君は…「友達ですよ。」
えっ?友達?
私は違うことをサラッと言った葵君を見るが、葵君は私を見ずに平然とした様子。
何で"許嫁"って言わないんだろう…。
「でも真智に葵君みたいな格好良い友達がいるなんて思わなかった~!」
「いつ知り合ったの?」
亜沙美と流唯は葵君のことを興味津々に見ながら質問する。
「知り合ったのはつい最近です。昨日は偶然街中で出会っただけですよ。」
「えっ!偶然街中で…ってぶふっ!」
私が否定しようとした時、なぜか葵君に口を塞がれた。
「…今は俺に合わせろ。」
脅しが入っている低い声が私の耳元で聞こえてくる。
そんな葵君に逆らえるわけがなく、私は黙って頷き、承諾した。