Sweet Heart
「うん!実は先週、不良に絡まれてる所を葵君が助けてくれたんだ!」
「なるほどね!そりゃ、私達が知らない訳だ~!」
亜沙美は私の言葉に納得してくれたみたいで、葵君に「真智を助けてくれてありがとう」なんて笑顔で話し掛けた。
良かった…。一応、許嫁ってことはバレずに済んだよね。
「あっ、申し遅れました!私、真智の友達で大倉亜沙美っていいます!」
「同じく真智の友達兼、亜沙美の彼氏で、風間流唯です。君の名前は?」
亜沙美と流唯が葵君に自己紹介をすると、葵君は少し驚きながら口を開いた。
「俺は五十嵐葵。諸事情により、今日から真智の学校に転校してきました。よろしくお願いします。」
「堅苦しい敬語なんか使わなくて良いよ!真智の友達なら私達の友達でもあるしね!」
「うん。俺達も葵って呼ぶから、葵も呼び捨てで呼んでね。」
「…あっ、ありがとう。」
亜沙美と流唯、葵君の会話を聞いていて、私は何だか嬉しくなった。
初めて葵君に会ったにも関わらず、笑顔で迎え入れてくれる亜沙美と流唯。
さすが自慢の大親友!