Sweet Heart
いっ、今簡単すぎって言いました?
「そもそも教科書の例題に載ってる方程式を入れて解くだけだろ。」
「あっ!本当だ!」
「それに初歩的な計算ミスもしてる。数学はわからなくても算数くらいはわかれよな。」
葵君のアドバイス…というより厳しい指摘によって、自分の間違いを見つけることができた。
葵君、頭が良い!
「わかったー!ってことは、こうだよね!」
「あぁ。…てか1問くらいわかったからって喜びすぎだろ…。」
葵君に言わしてみれば解けて当たり前のような問題…
しかし!私にとってはそう簡単には解けない、まるでにわとりが空を飛ぶように難しいの!
だから解けた時の感動は大きいんだよ!
「…問題を解いてくれたのは良いが、榎本と五十嵐は初めて会ったのに仲が良いんだな。」
「「えっ?」」
花井先生の言葉でようやく我に戻ると、
先ほどまで騒がしかったみんなが黙って私と葵君を見ていた。
なっ、何?この妙な空気…。
みんな、興味津々って言わんばかりの顔で見てるよ。
「いや、その、私達はちょっとした知り合いっていうか…」
「ただの友達ですよ。」
私が慌てて誤魔化そうとした時、葵君はいたって冷静に応えた。