Sweet Heart
 


葵君の言葉に、みんなはつまらなさそうに「な~んだ!」と口々に呟く。


「な~んだ!」って…あなた達は何を期待していたんだ!?



私が心の中でツッコんでいる中、葵君は坦々とチョークを走らせていた。



「えっ!もう書き終わったの!?」


「あぁ。」



あっという間に問題を解き終えた葵君に私やみんなも驚きを隠せないでいた。


ちなみに葵君が解いたのは難易度が高い応用問題だ。


花井先生も感心してる様子だし…凄いな~!



「よし、榎本と五十嵐は正解だ。神宮寺はまだか~?」



一方、おバカコンビ・真智の片割れである武蔵を見ると未だに悪戦苦闘みたい。



私は葵君から教えてもらったアドバイスを武蔵にも教えようとした…


その時…



「…何だったら、教えるぞ?」



私より先に武蔵の元へ近寄って言った。



まさか葵君から武蔵に話し掛けるなんて!


葵君ナイス!友達になるための大きな第一歩だよ!



私と亜沙美と流唯は期待しながら武蔵の返事を待つ。


…が、



「絶対お前の力だけは借りねぇよ!」



頑固な武蔵が簡単に折れるはずもなく、期待していた私達は肩をがっくりと落とした。





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