Sweet Heart
武蔵のバカー!せっかくあの無愛想な葵君が話し掛けてくれたのにー!
「はい、時間切れ。このまま神宮寺が解くのを待ってたら日が暮れるどころか1年が経つ。」
「はぁー!?花ちゃん、それはヒドいって!」
とうとう痺れを切らした花井先生は黒板とにらめっこしている武蔵を止めに入った。
花井先生も武蔵に対しては容赦ないな…。
そんなことを思いながら、私と葵君、そして悔しがる武蔵は席へ戻った。
「ったく!武蔵ったら何様のつもりよ!」
「葵君が話し掛けに行ったのにね。ちょっと絞める?」
「るっ、流唯が言うと本気に聞こえるよ!」
前に座っている武蔵には聞こえないように、文句を言う亜沙美と不気味なくらい爽やかな笑顔で恐ろしい事を言い出す流唯。
まぁ、流唯の冗談(かな?)は置いといて、武蔵は私が思ってる以上に葵君のことを嫌っていることがわかった…。
葵君は今の武蔵の態度を見てどう思ったんだろう…。怒ってるだろうな。
私はそう思いながら横目でチラリと葵君の様子を伺うと
葵君はまるで気にしていないと言わんばかりの表情で、すぐに居眠りタイムに入ってしまった。