Sweet Heart
「武蔵はバカだね。葵は武蔵の機嫌をとるために、わざと負けてやったんだよ。」
「なっ、何!?」
今まで俺と五十嵐の会話を黙って見ていた流唯が話に入ってきて
俺は流唯の言葉に驚きながら五十嵐に目をやると、五十嵐は特に否定をすることもしなかった。
「あの時の武蔵は怒りで我を忘れてたから隙だらけだった。きっと俺でも避けれたね。」
「…本当か、五十嵐?」
「まっ、まぁ…。だけど別に悪い意味じゃねぇから気にするな。」
まさか同情されてたなんて…
俺はどこまでバカなんだー!
そんなことを思いながら、独りでショックを受けていると…
「武蔵!いたー!」
「なっ!?真智!」
真智が息を切らして、勢い良く屋上へ入ってきた。
「俺より先に出て行ったくせに遅ぇよ。」
「えぇ!?葵君が何でここに居るの!?」
「ちなみに私と流唯もいまーす。」
「嘘っ!亜沙美と流唯まで居る!」
突然来たせいもあり、教室にいたはずの3人がいて真智は信じられない様子。
それにしても真智が先に出て行ったのに、今まで何してたんだ?