Sweet Heart
…ったく。俺は真智にまでつらい想いをさせてたんだな…。
「真智、ごめんな。」
「…えっ?」
俺は泣きそうな真智の頭を優しく撫でてやり、安心させるように笑顔を見せた。
「五十嵐!今さら図々しいかもしれないが、俺と仲良くしてくれないか?」
五十嵐に対する誤解も解け、残るは五十嵐の気持ち次第。
断られても自業自得なので仕方ないが、俺はそれでも五十嵐に手を伸ばす。
そんな俺に五十嵐は…
「仕方ねぇから仲良くしてやるよ。」
「あっ、ありがとう!」
微かに笑い、俺の手を握って握手をした。
これで俺もようやく五十嵐と友達になれたな…。
「どうしたの、真智?」
「えっ、あっ、意外にもあっさり仲良くなれたなぁと思って…」
「そうだね。まぁ、真智には理由がわからないだろうけどね。」
真智は先ほどまでのやりとりを見ていなかったため、いきなり仲良くなった俺と五十嵐を不思議そうに見ている。
亜沙美と流唯は真智の驚いた様子を見て、顔を見合わせて笑った。
「こらー!誰だ屋上の鍵を壊して入った奴はー!」
「やべっ!先生だ!逃げろ!」
この時、まだ誰も気づいていなかった…
これから激しい嵐が起きるということを…