不器用上司のアメとムチ

「久我、さん……」

「ん……?」


このままじゃ、何も考えられなくなっちゃう……そう思ったあたしは、首筋に舌を滑らせながらブラウスのボタンに手を掛ける久我さんに告げた。



「あたし……久我さんのことが、好きです……」



ぴた、と舌の動きが止まる。

そして顔を上げた彼は、さっきまでケモノのように鋭かった瞳を優しげに細めると言った。



「……知ってる。だからこんなになってるんだろ?」



身体の上を滑り降りた手が、スカートを捲り上げてその部分に触れた。

ショーツもストッキングも着けているのに潤いが伝わったのかと思うと、恥ずかしくて顔から火が出そうだ。


あたしが両手で顔を覆って羞恥に耐えようとすると、その手は無理矢理に掴まれ頭の上で固定されてしまった。


「……隠すなよ、いい顔してんだから」

「見ないで、くださ……っ」


びくん、と身体が震えたのは、いつかのように彼があたしの胸の先端に噛みついたからだった。


今日は、大丈夫だよね……?

本当に、私とこうしてること、忘れないよね……?

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