不器用上司のアメとムチ
「あ、ん……久我、さ……」
ベッドがぎしぎしとうるさく軋むのは、決して古いからってわけじゃないと思う。
あたしを貫く久我さんのやり方が、激しすぎるのだ。
身体がぶつかるたびに、繋がった部分から溢れ出たものが飛び散る。
耳を塞ぎたくなるくらい、恥ずかしい音を響かせながら。
「や…あ……っ、も……ダ、メ」
背中を浮かせて喘ぐあたしにはもう言葉が紡げなくて、限界が近づいているのがわかる。
「……いいぞ、いっても」
彼の方も余裕がない声であることを耳が感じ取ると、ドキンと大きく胸が波打つ。
そして二、三度腰を打ち付けられると、急にあたしの中は狭くなって、全身に強い快感が駆け巡った。
――やがて快感は爪先から抜けていき、同時に果てた久我さんの身体の重みを幸せに思っていると……
あたしは激しい睡魔に教われ、彼の温もりに包まれたままで眠ってしまった。