不器用上司のアメとムチ
「う、そ……本当に、ここで……」
抵抗するあたしを、久我さんの強引な手がなしくずしにしていく。
脚の力が抜けて寄りかかった先にはあたしの机があり、職場でこんなこと……という背徳感が高まる。
それでも身体の準備はすぐに万端になってしまい、何度も飴をのどに詰まらせそうになりながら、足を開いて彼を受け入れようとしていたときだった。
――――ガチャッ
不吉な音が耳に入ってきて、あたしと久我さんは視線を合わせた。
管理課の扉が、開いたのだ。
あたしは久我さんの身体に隠れているから、入ってきた人物からすぐには見えない。
でも久我さんは一番にあたしの身体に上着を掛け、それから脱ぎかけのズボンを元に戻した。
そして振り向いた先に居たのは……
「もしかして、お邪魔だったかな……?
「……なんだお前かよ、霞」
京介さん……
よ、よかった……知らない人じゃなくて。
あたしは久我さんの上着にくるまって、小さくため息をついた。