不器用上司のアメとムチ
16.快気祝と歓迎会
「今日、管理課の飲み会があると風の噂で聞いたんだけど」
「……それがどうした」
「僕も混ぜてもらおうと思って」
「はぁ?」
笑顔の京介さんと、迷惑顔の久我さん。
二人を見つめながら、あたしはいつ服を来たらいいんだろうと思っていると……
「廊下で待ってるから、その間にヒメは服を着たらいい。君らがしていたことは黙っていてあげるから、早くしてね」
わぁ〜〜、ばれてる!
「だけど、ヒメも変わったね。僕と付き合っているときはそんなの着けてくれなかったのに……」
京介さんが指差した先の床の上には、あたしの勝負下着の黒ブラが。
「ほ〜、これを着て見せたのは、俺が初めて、と」
「きゃー!二人とも黙って!!そして久我さん、早く拾って!!」
「へーへー」
もう……あんな所まで飛ばされてたなんて。
あたしは久我さんからブラを受け取り、体に巻き付けた彼の上着に今さらのようにササッと隠した。