不器用上司のアメとムチ
ベッドに移動して組み敷かれた後も、激しいキスは止まらない。
二人とも、まるで何日も空腹だったみたいに、唇を、舌を、唾液まみれになるのも気にしないで食べ合う。
ようやく唇が離れた、と思ったら、今度は耳から首筋にかけて彼の濡れた唇が滑り降り、あたしは小さく身体を震わせながら、久我さんの背中にしがみつく。
「……お前は感度がいいな」
にやりと笑った彼の指は、ワイシャツ越しにでもその硬さがわかるほどに立ち上がった胸の突起を強めの力で転がしている。
そこからぴりぴりと伝わってくる快感になんとか耐えながら、息も切れ切れにあたしは言う。
「くが、さん……だから……」
「……?」
「久我さんのことが、好きだから……すぐに、よくなっちゃうんです……」
「……お前な……あんま俺を煽ると後で後悔すんぞ」
そう言って胸の愛撫を止めた彼が、あたしの足を大きく開かせた。
そして慣らすこともせずに奥まで指を入れられたので、一瞬痛みを予想して目を閉じたけど、それは無用な心配だった。
あたし……いつの間にこんなに……
「……もう一度言ってみろ。ここはどうしてこんなになってるんだ?」
「だめ……そんな」
「言わないとこの先には進まない」
久我さんはあたしが勝手にいかないよう、わざとゆっくりな動きで中をかき回す。
もう、こんな状態でおあずけは無理だよ……
あたしはきゅうきゅう彼の指を締め付けながら、涙声で言った。
「す、き……好きです……だから、もう……」