ピエロなあなた
今日のパフォーマンスは六時って書いてあった。でもあたしは待ちきれなくて、五時に到着しちゃった。


TAKUさんはまだ来てなかった。



そりゃそうだよね。まだ一時間もあるんだから。あたしったら早すぎるよー!でもすごく楽しみ!ずっとこの日を待っていたんだもん。


「ねー。一人?」


声をかけられて、振り向いたら茶髪の男性。


「どっか楽しいとこ、行かない?」


「行きません。」


「いいじゃん。一人なんだろ?行こーぜ。」


その男性はあたしの手首を掴んで、強引に引っ張っていく。


「やだ。やめて。」





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