【短編】ダンサー
「すごい、がんばったね、拓海」
ターンを止め、ふらつく足で私の前に座り込み、はぁ、はぁと肩で息をしている。
呼吸のせいで声は出せないが、うんうんとしきりに頷いた。
あの時と同じ満面の笑みで。
上下に揺れるその頭に、そっと手を置いた。
「うん、よくがんばった。えらかったね」
「あの時と一緒だ・・・そうやって、頭を・・・そうやって笑ってくれた」
まだ荒い呼吸の中で絞り出すように言った。
そうだったかな?覚えてないけど自然に手が動いた。
作り笑いじゃなく、嬉しくて笑ったのっていつ以来だろう?
落ち着くのを待って、ミネラルウォーターのボトルを渡した。
「ありがとう」
ごくごくと音を立て、みるみる拓海の喉に吸い込まれていく。
ほとんど飲んで、はぁーっと息をついた。
ターンを止め、ふらつく足で私の前に座り込み、はぁ、はぁと肩で息をしている。
呼吸のせいで声は出せないが、うんうんとしきりに頷いた。
あの時と同じ満面の笑みで。
上下に揺れるその頭に、そっと手を置いた。
「うん、よくがんばった。えらかったね」
「あの時と一緒だ・・・そうやって、頭を・・・そうやって笑ってくれた」
まだ荒い呼吸の中で絞り出すように言った。
そうだったかな?覚えてないけど自然に手が動いた。
作り笑いじゃなく、嬉しくて笑ったのっていつ以来だろう?
落ち着くのを待って、ミネラルウォーターのボトルを渡した。
「ありがとう」
ごくごくと音を立て、みるみる拓海の喉に吸い込まれていく。
ほとんど飲んで、はぁーっと息をついた。