【短編】ダンサー
電車で街中へと向かう。
夜11時を過ぎた頃からのこの通りが好きだ。
沢山の女の子がいるが、昼間の子達とは完全に入れ替わっている。
昼間は、ラブラブなカップルや、友達と笑っている、健全で安全な子達。
そんな子達に怯えるように身を隠していた子が、この時間くらいから姿を現し始める。
一人だったり、二人だったり、大勢だったりはするが、みんな一様に同じ目をしている。
輝きを失い、全てを諦めた目。
声を掛けてくる男や、すれ違う女に絶えず向けられる目は、何を探すでも、誰に期待するでもなく、ただ時間が過ぎるのをじっと耐えている。
そんな私と同じ匂いがする人達に紛れているのが心地良い。
私の事なんて誰も知らないし、興味も無い、世界から自分が消えた様な感覚。
いつもの様にあてもなく歩いていると、右足のひざに鈍い痛みを感じ始めた。
あんまりつまらなくてさっきビール飲んじゃったんだっけ。
お酒を飲むと古傷が痛む。
夜11時を過ぎた頃からのこの通りが好きだ。
沢山の女の子がいるが、昼間の子達とは完全に入れ替わっている。
昼間は、ラブラブなカップルや、友達と笑っている、健全で安全な子達。
そんな子達に怯えるように身を隠していた子が、この時間くらいから姿を現し始める。
一人だったり、二人だったり、大勢だったりはするが、みんな一様に同じ目をしている。
輝きを失い、全てを諦めた目。
声を掛けてくる男や、すれ違う女に絶えず向けられる目は、何を探すでも、誰に期待するでもなく、ただ時間が過ぎるのをじっと耐えている。
そんな私と同じ匂いがする人達に紛れているのが心地良い。
私の事なんて誰も知らないし、興味も無い、世界から自分が消えた様な感覚。
いつもの様にあてもなく歩いていると、右足のひざに鈍い痛みを感じ始めた。
あんまりつまらなくてさっきビール飲んじゃったんだっけ。
お酒を飲むと古傷が痛む。