【短編】ダンサー
今日は帰ろう、一歩脇道に入ったところで肩を掴まれた。

「ねぇねぇ、一人?」

なにこいつ?

「俺達と遊ぼー」

強引に腕を絡ませてきた。

「うざっ」

振りほどこうとすると、いつの間にか横に違う男がいて、もう一方の腕を取った。

両方からがっちり掴まれ身動きがとれない。

「あっちに車あるから」

ヘラヘラ言う口から発するアルコールの匂いが鼻をついた。

やばい、逃げないと。

数歩先の明るい通りに戻ろうとするが、体はぐいぐい引っ張られていく。

「誰か・・・」

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