鳥籠に絡む鎖


私の身体が、大きく震え上がる。

ドアが開いた音がしたのは、“アイツ”が寝ている寝室からだ。


ギギギと、漫画で人がゆっくり振りかえるシーンに使う音がある…筈だ。
私はまさに、そんな音が聞こえてきそうなくらい、ゆっくり…ぎこちなく後ろを振り返った。


上半身裸で、眠そうに頭を掻きながら欠伸をしている、ダラしない男…



こいつのせいで…


「ねみー…」

「…夕矢」

「あ゛ぁ?」

「……おはよ」

「…あぁ」



こいつのせいで…


    私の自由が、奪われたんだ…――





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