おいでよ、嘘つきさん。

ある夜、ミモザは酷く母親に殴られました。
理由なんてありません。母親はイライラしていたから、それだけです。
気が済んだ母親は、家から出ていきました。


ミモザは、泣きながら部屋に戻りました。
部屋には、心配そうなネリネがいました。そして、慰めの言葉をかけてきます。
「ミモザ！ひどいアザだよ。可哀相に。何にも悪くないのに！ミモザは、何にも悪くない」

ネリネは、ミモザを抱きしめながら慰めます。
「ミモザのお母さんは、おかしいよ。ミモザは良い子なのに！私は、ミモザの味方だよ」

ミモザは、落ちついてきました。そして、ネリネに訴えます。
「ネリネ、ありがとう。殴られるのは嫌。お母さんは、私の事が嫌いなの。小さい頃からずっとだもん。赤い髪だから駄目なんだって」

ミモザは、また泣き出してしまいました。ネリネは、慌てて言いました。
「私は、ミモザの髪も好きだよ。お母さんが変なんだよ！ミモザ、泣かないで？私は、ずっと味方だから」

ミモザはネリネの言葉に安心します。ネリネの声がミモザは大好きです。
それに、いつも味方してくれて優しいネリネが大好きなのです。
ミモザは、泣き止み弱々しい声で言いました。
「ありがとう。うん、私もネリネの味方よ。ずっと、ずっと一緒にいようね」

ネリネも嬉しそうに答えます。
「ありがとう！もちろんだよ。ずっと一緒だよ！」

二人は、絆を深めます。
ネリネも嬉しそうです。二人とも一人は嫌だからです。
ネリネは、捨て子で孤児院育ち。友達もできなかったそうです。外出中に、ミモザを見かけたのが二人の出会いでした。
ネリネは、すぐに孤児院を抜け出しミモザの家に住み着きました。
ネリネも辛い過去を持っていたのです。
二人は、固い友情で結ばれていました。