おいでよ、嘘つきさん。
学校が休みの日は、二人で外に出かけます。
ミモザの、お気に入りの場所へ仲良く手を繋いで出かけるのです。
少し遠くにある綺麗な川です。そこは、町の人も来ないためミモザのお気に入りななです。
川の周りは、花が咲き乱れています。
ミモザは、近くの岩の上に座り絵を描きます。
ネリネは、花を摘んだり川で遊んだりします。
二人は、楽しい自由な時間を満喫しました。
ミモザが「出来た!」と叫ぶと、ネリネは駆け寄ってきます。
ミモザの絵は、鉛筆だけで描いた風景画。
とても、上手く描写されていてネリネは感動しました。
「ミモザは、本当に絵が上手だね!あっ、ここ!ここに居るのって私!?」

ミモザの絵には、ネリネが花を摘んでいる姿が小さく描かれていました。ミモザは笑顔で答えました。
「そうよ!これはネリネ。この絵の題名はネリネにしよう!」

絵の題名に選ばれた事に、ネリネは照れながら喜びました。
「何だか、照れちゃうよ!でも、嬉しい。この絵は最高だもん!」

二人は、嬉しそうに話しています。
ミモザの絵を、まともに見てくれるのはネリネだけです。
それに、ネリネは絵についてミモザに質問をしてくるのです。
ミモザは、自信満々に絵について語ります。自分の絵について語れる事が嬉しくて、ついつい長くなってしまうのですが、ネリネは真剣に聞いてくれます。
ミモザは、この絵を「一生、大事にしよう」と思いました。
ネリネは、笑いながら「また、描いてね」と言っています。
ミモザは、ネリネと出会えた事に感謝していました。
一人ぼっちなら苦しい毎日に、きっと堪えられなかったと思ったからです。

日が沈んできたので、家に帰ることにしました。ネリネは、帰り道でもミモザの描いた絵を見ては感動していました。
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