おいでよ、嘘つきさん。
ある日、ミモザは泣きながら帰ってきました。
学校でまた、ひどく虐められたからです。
髪をつかまれ、ハサミで切られてしまいました。
ボサボサになった髪を、手でおさえながらミモザは帰ってきたのです。
その姿を見たネリネは驚きます。
「なんて事!可哀相に、ミモザ怪我はない?」

ネリネは、慌ててミモザの顔や手や足をみました。
ミモザは泣きながら答えました。
「大丈夫。髪をぐちゃぐちゃにされただけ。でも、こんな頭じゃ外も歩けない!」

言い終えると、ミモザは泣き崩れてしまいました。ネリネはミモザを慰め続けました。
しばらくすると、ミモザも落ち着き始めます。ネリネは言いました。
「髪を整えてあげるよ。ミモザは短い髪も似合うよ、きっと!」

ミモザは、頷きました。
鏡の前に座り、自分の頭をみました。乱雑に切られて、長さがバラバラになっている髪を見て涙が出そうです。
ネリネは「大丈夫。綺麗にしようね」と、ミモザを励まします。

長さを整えながら、少しずつ切っていきます。あまり、短くなりすぎないように気をつけて。
前髪も、作ることにしました。ゆっくり時間をかけ、丁寧に整えていきます。

泣いていたミモザも、どんどん整っていく髪に泣くのを忘れてしまいました。
ネリネは真剣な表情です。
ミモザは思わず「ネリネ、すごいわ。長かった髪よりも良い!」と喜んでしまいました。
ネリネも喜び「あと、ちょっとだからね!」と答え、丁寧に髪を整えました。

髪を乱雑に切られて、泣いていた事をすっかり忘れるほど綺麗に髪は整いました。

ミモザは喜び、ネリネにお礼をしました。
「最高な気分!さっきまでの悲しい気持ちが嘘みたいよ!とても綺麗になったんだもん!ネリネに、こんな才能があっただなんて」

ミモザは、横をむいたり後ろをさわったりして喜んでいます。
ネリネも満足げです。「思った通り!短い髪も似合ってるよ」と笑っています。

ミモザは、感動して何度も何度も髪をさわりました。

翌日、胸をはって学校に行きました。もちろん、ミモザの髪型は綺麗に整っていたので誰も虐めません。
少し、驚いた様子でした。

家に帰ると、ネリネにすぐに報告しました。ネリネも喜びます。
「ほらね!ミモザは、もっと自信をもったら良いんだよ!」

ミモザは嬉しくて、ずっと笑顔でした。
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