おいでよ、嘘つきさん。

トリトマの悲痛な様子に、町の男達は怒り、女達は嘆きます。



トリトマは、叫ぶのです。


「何で俺を疑うんだ!?」


町の女達は、基本的にトリトマの味方。


「そうよね。トリトマが犯人かは分からないわよね。」


町の男達は、基本的にトリトマの敵。


「トリトマ以外、考えられない!」



トリトマは、女性に人気が高く、男性には不人気です。


「無茶苦茶だ!理由もなければ、証拠もないじゃないか!それで、俺が殺人犯!?ふざけるな!」


トリトマの怒鳴り声。


女性は、少し恐くなります。
いつものトリトマは、優しくて穏やかだからです。


「うるさい!トリトマが殺人犯だ!殺人犯には死刑を!!」


町の男達も怒鳴り返します。


トリトマは唇を噛み締め苦痛の表情。


女達は、そんなトリトマに同情するのです。


さて、この騒ぎは一体何なのか。


少し、時を遡りましょう。
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