おいでよ、嘘つきさん。
サフィニアは幼い頃から、恐がりで悩みやすい性格でした。


いつも、トリトマの後ろを歩き何かに脅えているのです。

トリトマは幼い頃から、活発で元気な性格です。


いつも、サフィニアを連れて走り回っていました。


初めて、町の異変に気付いたのはサフィニアです。


「なんで、お母さんとお父さんが居ないのかな?」


トリトマは、両親のことなんて考えたこともなかったため驚きます。

気付いたら、サフィニアと二人で特に困ることなく生活していました。


「最初から、いないんじゃねぇの?」

トリトマは答えます。


しかし、サフィニアは納得しません。


「小さい時はいたよ。気付いたら居なかったんだ。」


トリトマには両親の記憶がありませんが、サフィニアは少し覚えているようです。

トリトマは、答えなんか出ないと考え適当に答えます。


「死んだんじゃねぇ?」


すると、サフィニアは言うのです。


「何で?」


トリトマは困りました。

何故、両親がいないのか。

死んだなら、理由は何か。

そもそも、死んだのか。


何一つ、分からないからです。
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