おいでよ、嘘つきさん。
その日から、人間嫌いの二人の生活が始まりました。

アザミは27才、料理が得意で町に売りに行き生活しています。
過去については分かりません。
性格は、冷静です。
笑う事もありますが、基本は無表情です。


オリーブは10才、洗濯や掃除などを担当しています。
三日三晩、歩きつづけ倒れた所をアザミに拾われました。
性格は、照れ屋です。
また、怒られる事を異常に怖がります。


こんな二人の生活ですから、賑やかになる訳もなく静かに暮らしていました。

しかし、オリーブは幸せでした。
大きな声で怒鳴られたり、殴られたりしない静かな生活。
こんな素晴らしい生活はないと思っていました。

アザミは、掃除や洗濯や薪割りもできるオリーブに驚きました。
それに、とても助かります。
生活のためには稼がないといけないので、そちらに力を入れられます。


オリーブは、頑張りすぎる所があるため、アザミが「もう、良いから寝なさい」と、言っても「まだ、洗濯が残ってます」と答え終わるまでやめません。

アザミは一度、真剣に聞きました。
「何故、そんなに必死なの?」

「ちゃんと、やらないと駄目だからです」

「できる範囲で良いのよ。無理しなくたっていいのよ」

「無理はしてません。僕は、とろいから時間がかかってるだけです」


アザミの見ている限り、とろいとは思いません。
アザミは、だいたいの検討がついていたのでハッキリと言いました。
「前にいた家とは違うのよ。ここはオリーブの家よ。もっと、ゆっくりなさい」

オリーブは、驚いた顔でアザミを見ました。
アザミは、オリーブに言い聞かすように話し出しました。
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