おいでよ、嘘つきさん。
アザミの料理は町では大人気です。
安くて美味いからです。

しかし、アザミは無表情で淡々と仕事をこなします。

町の人々はアザミを変わり者と呼んでいます。
本人にも、平気で言います。
アザミは、何と言われようが無視をします。

町の人々はアザミの事を、よく知っているのです。

アザミが町に来て10年になるからです。
最初は、街中に住んでいましたがアザミを嫌う連中に追い出されました。

町から遠く離れた、古いボロボロの家を安い値段で買いました。

たくさんの苦労を、一人で乗り越えたアザミは強くなりました。

そして、今のアザミがいるのです。
ですから、町の人々が何て言おうが聞き流します。

アザミが、人嫌いになったのは辛い過去が原因です。
だから、オリーブの気持ちが手にとるように分かってしまうのです。
しかも、オリーブはまだ子供。
アザミは、オリーブを守ってやらねばと無意識に思っていました。

だから、町には決して連れてきません。

余計に、人嫌いになると考えたからです。

今日の仕事が終わると、急いで家に帰りました。
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