おいでよ、嘘つきさん。
オリーブが聞きました。
「アザミは、どうして町から離れた場所に住んでいるのですか?仕事は、町に行かないといけないのに」

「そうね。町から離れていないと住めなかったのよ。人嫌いなのもあるし、人に嫌われていたってのもある」

「僕と一緒ですね!僕も人嫌いだし、人に嫌われていました」

「やっぱり、同じね!でもね、オリーブ。悪い人なんて少ないのよ。ただ、流されやすいの。だから、皆が悪い人に見えるのよ」

「どういう事ですか?」

オリーブには理解できませんでした。
アザミは、少し笑いました。
「ごめんなさいね。変な事を言ったみたいだわ。そうね、簡単に言うと悪い人ばかりじゃないって事よ」

「アザミみたいな人がいますもん!知ってます!」

アザミは、笑ってしまいました。オリーブは不思議そうな顔です。
オリーブの真っすぐな気持ちに触れると安らぎを感じ、固まった頭が柔らかくなるような感覚になります。
「そうね。オリーブは頭が良いわ」

オリーブは少し照れながら笑いました。
< 35 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop