おいでよ、嘘つきさん。
反応の無いプルメリアに酔っ払いは苛立ちます。


「大人が話しかけてるんだ!!返事の一つでも、しやがれってんだ!この、嘘つきが!!!」


その言葉に、プルメリアは立ち止まります。

反応があった事に、酔っ払いは調子に乗り更にプルメリアを煽りました。


「プルメリア!お前が母ちゃんを殺したんだろ!?」


酔っ払いの、この発言には皆驚きます。

いくらなんでも言い過ぎだからです。

しかし、内心は「プルメリアは何て答えるか!?」と興味津々。

その場にいる全員が、プルメリアの言葉を待ちます。

プルメリアは、静かに振り向き酔っ払いを見つめました。

酔っ払いはプルメリアの力強い瞳に少し緊張します。


「な、何だよ…!?」


自分から聞いたくせに、脅えた様子の酔っ払い。


プルメリアは、息を大きく吸い込み怒鳴りました。


「貴方に、死神が見える!!」


プルメリアの怒鳴り声は、町中の建物に反響して大きく鳴り響きます。


その場にいた者は、目を見開き驚愕の表情。


酔っ払いに至っては、固まったまま何も言えません。

プルメリアは酔っ払いを睨みつけ、更に言います。


「ほら、貴方の後ろよ。肩の上。酷い顔をした真っ黒な顔が見えるわ。貴方を包み込むように抱きしめている。死神様は貴方がお気に入りのようね」


この言葉に、酔っ払いは悲鳴をあげます。


「で、でたらめ言うな!嘘つきめ!!俺を怖がらせるために、わざと言っているな!最低なガキだ!!」

「違うわよ。貴方が、本当か嘘か聞いてくるから答えたのよ?」

「嘘だ!嘘だ!嘘だ!プルメリア、いい加減にしないと許さないぞ!!」

「別に許してもらわなくて、結構よ。だって、本当に見えるんだもん。ほら、死神様も笑ってる」

「やめろーーー!!!」


酔っ払いは、完全に我を忘れ狂ったように叫びました。
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