おいでよ、嘘つきさん。
プルメリアが里子に出されてすぐに、悲しい知らせが届きます。


「プルメリア…。弟さんが…、残念な事に…」


里親は、プルメリアに語りかけます。


「ごめんなさいね。まさか、プルメリアを連れて来てすぐに…。すぐに、こんな事になるなんて…」


里親は、涙を流してプルメリアに謝ります。


「弟さんの、最後に付き添えなくて辛いでしょう…。私に気を使わずに泣いても良いのよ?」


プルメリアは、涙の一つも見せません。

それどころか、優しく微笑むのです。

そして、言います。


「ありがとう。でも、大丈夫なの。アスターとは、ちゃんとお別れをしてきたから」


里親は、そんなプルメリアが健気だと更に泣きました。


プルメリアは、アスターとちゃんとお別れをしました。
生前にちゃんと。

プルメリアの優しさと、アスターの優しさ。

どちらが本当の優しさと言えるのでしょうか?


死神が見える。


本当に見えたのでしょうか?


ただ、確実な言えることがあります。


二人は、1番の親友同士だったということ。


そして、二人共がお互いの事を1番に考えていたということ。


お互いを傷つけないために、優しい嘘を付き合ったということ。


プルメリアとアスターは、心が繋がっていたはずです。

そして今も、心は繋がっているのです。


プルメリアは、静かに瞳を閉じアスターに冥福を送りました。


アスターを想い、優しく微笑んで。



ローズブーケ
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