おいでよ、嘘つきさん。

ランプ狂

遠い遠い場所にある、不思議で愉快で狂った人々が住む町がありました。


その町は、とても小さくて町の人々は皆顔見知りです。

どんよりと重苦しい灰色が、この町では空の色です。
町の人々は『雲が近いから』と言います。

太陽の光は、たまに見える程度です。
ただ、この町は色とりどりのランプをともしているため大変明るいのです。

赤や青や緑や黄色、言い出すときりがありません。

町全体が不思議な色に光っているのです。

町の人々は、眠る時も明かりを消しません。

『何で消すの？』これが理由です。

建物は密集していて、ちょうど山のように真ん中に高い建物が集中しています。
ただ、真ん中の高い建物は上に部屋が一つあるだけです。

『外が見れないから』簡単な理由です。

草木は一つもありませんし、花だって咲いていません。そもそも、町の人々はそんな物なんて知りません。

川は一つありますが、そこにも多くのランプを点してます。

『理由は特にない』理由はありません。


この町では、普通が変で変が普通なのです。
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